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スペインという国

今日はスペインという国について、すこしご説明したいと思います。

みなさん、どれくらいスペインの事をご存知ですか?だいたいの感じをご理解いただくために、いくつかのデータを用意しました。

スペイン 韓国 日本
人口
(人)
45,989,016 29位
(2008年)
50,004,441 25位
(2012年)
126,659,683 10位
(2012年)
GDP
(PPPベース)
単位:ドル
1兆3968億 11位
(2008年)
1兆6220億 15位
(2012年)
5兆9840億 3位
(2012年)
面積
(km
2
504,782 100,210 377,914

これを見ていただくとだいたいイメージが沸きますか? 比較検討のために、参考に韓国のデータも記載しています。スペインは、

  • 人口は日本の約3分の1、韓国より10%少ない
  • GDP(国内で生産される付加価値の合計):日本の約23%、韓国より15%少ない
  • 国土は日本の1.3倍

GDPのデータはスペインが2008年、日本が2012年なので、恐らくヨーロッパの経済危機の問題から、2012年時点での数値比較は、もっと開いているかもしれませんが、そこを気にせずに要約すると

日本の人口の3分の1の国民が経済的には日本の4分の1の付加価値を生み出している国

とデータ的には言えます。そして、データ的には、とても韓国に非常に近しくみえませんか?

ヨーロッパの西に位置して、隣国と陸続きで接し、かつラテンの血をひくスペイン人を文化・歴史の面から考えてみたいと思います。

スペインはラテン民族に属し、歴史的背景をご紹介します。みなさんは「狩猟民族」と「農耕民族」という言葉をご存知かと思いますが、ヨーロッパやイスラムでいう「狩猟民族」の意味は、実は我々が理解している内容と大きく異なっていることをご存知ですか?私自身も、このことに気付いたのは、社会人になってすぐのころに読んだユダヤ人の歴史についての本がきっかけでした。何か、ご紹介できる資料がないかを考えていましたが、ちょうどイメージしやすいピッタリの内容があったので、アメリカ大陸を発見した「クリストファー・コロンブス」のリンクを貼っておきます。このコロンブスの中の「航海」の項目にある「新大陸上陸」及び「インディアンへの大虐殺」を参照いただければ、イメージがつかめると思います。

コロンブスは航海にでるにあたり、スペイン王室と「サンタ・フェ契約」を結んでいます。

1492年4月17日

  1. コロンブスは発見された土地の終身提督(アルーランテ)となり、この地位は相続される。
  2. コロンブスは発見された土地の副王(ピリレイ)及び総督(ゴベルナドール・ヘネラール)の任に就く。各地の統治者は3名の候補をコロンブスが推挙し、この中から選ばれる。
  3. 提督領から得られたすべての純益のうち10%はコロンブスの取り分とする。
  4. 提督領から得られた物品の交易において生じた紛争は、コロンブスが裁判権を持つ。
  5. コロンブスが今後行う航海において費用の1/8をコロンブスが負担する場合、利益の1/8をコロンブスの取り分とする

ここでいう利益には、物品だけではなく、奴隷も含まれています。

つまり、コロンブスは略奪を目的にこの航海に船出しているんです。そして、このコロンブスの航海の結果がスペインによる南アメリカ大陸全土(ブラジルはポルトガル領)の植民地化につながった事実を認識下さい。

ラテン文化を語弊を恐れずに極端に表現すると

「略奪による富を仲間で分配し、その報酬をお祭り騒ぎで喜べる人達。そして、細かいことは気にしない、なぜなら、その時々で、富の集まっているところを見つけて、奪ってしまえばいいから」

という根本的な考えが意識のどこかに残っているのではないかと思える経験がいくつかあります。日本人的考え方で、その出来事を理解しようとしても理解できるはずかありません。そのときには、極端かもしれませんが、「ラテン文化とは」と思い起こすことで、なぜ、そういう経験になったかを考えれば、それはそれで理解はできませんが、説明がつくのかなと思うことが何度もありました。

さて、どうして長々とこういう話をさせてもらったかというと

ヨーロッパで、スペインでサッカーをすることは、そういう文化に触れながら、そういう文化の人間とサッカーで戦う

ということだとご理解いただきたいからです。勿論、外から見るスペインと中から見るスペインとは違うと思います、2013年の現代ですから。ただ、サッカーの試合で戦う際は、スペイン人の狩猟民族としての「命を懸けた、勝利を奪い合う戦い」が前面に出てきます。なぜなら、彼等はサッカーをスポーツと呼びません。「サッカー」は「サッカー」という表現をするのです。体育=スポーツの延長線上にありません。ピッチの上は文字通り戦場と表現します。ある意味、ボクシングや格闘技のリングの上という意識が近いのかもしれませんね。やるかやられるかだと。

かといって、我々が狩猟民族になれるわけではありません。ただ、農耕民族の我々が、狩猟民族の特徴を理解してしっかりと準備をし、戦い方を工夫すれば、スペインに勝つことは絶対にできると思います。

最初のデータを思い出してください。スペインは、日本の人口の3分の1、GDPは4分の1以下の国です。まじめで勤勉な日本人が、しっかりと相手を研究し、そして準備をして努力をすれば勝てないわけはないと強く信じます。

だからこそ、日本人選手にヨーロッパで活躍してもらうために尽力したいと思いますし、きっと実現できると思います。

みなさんも、是非、そういう見方でリーガエスパニューラを見てみてください。夢が目標にかわります!

 

 

 

スペインへのテスト遠征

Jリーグの2012年シーズンが終了して、各チームが開幕前の最終調整にはいっているこの時期、実はさまざまなところから「スペインへのテスト遠征」の依頼をうけることが多くなっています。

2013年のプロ契約を更新してもらえずに、チームを探している選手、また、高校や大学ですこしでも早くプロ契約を勝ち取りたい、新学年を迎える前に、いろいろチャレンジしてみたいと考える選手・・・・、おのおのの事情はさまざまですが、相談をうける機会が増えています。

ただ、スペインのリーグは現在、2012-2013シーズンの後半戦です。正直、すぐに採用!となることはなかなかありません。

2013-2014シーズンに向けたテスト的な意味合いが強くなる遠征になると思います。

例えば、CEサバデルの場合、サイドバックの選手が昨年末、怪我で長期療養中です。明らかにチームとして選手層が薄くなっているため、戦力が低下していてすぐにでも補強したいのですが、

  • 怪我で療養中の選手の給与の支払いは継続しなければならない
  • 補強する選手の給与は、予定外の出費となる
  • 現在、スペインリーグで戦える資格があり(ビザの問題がなく)、かつ、どこのチームにも属していない(移籍、レンタルのウィンドウが閉じているので)フリーな選手を探して補強しなければならない
  • 外国人選手を補強する場合、給与、ビザの問題だけでなく、外国人枠の問題も考慮しなければならない

ことを頭に入れて検討しなければなりません。EU枠の選手であろうが、外国人選手であろうが、まずはこの2012-2013シーズン終わりまでの戦力という観点でどう補強するか、そして、3月‐6月までの4か月の契約でパフォーマンスをみながら、2013-2014シーズのチームにも引き続き残ってもらうかどうかを考えることになります。

相談を受けているみなさんには、是非、チャレンジできる機会を提供したいと思いますが、なかなかプロとして選手をつづけるにはたくさんのハードルがあることもご理解いただいて、納得のいくパフォーマンスを発揮していただきたいと思います。

 

 

クラブにとってのスタジアム

先日、エコパスタジアムを訪れる機会がありました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、Jubilo磐田のホームスタジアムとして静岡ダービーに使われています。また、エコパスタジアムでは

2002 FIFAワールドカップ 2003 NEW ! わかふじ国体 2006 ねんりんピック静岡

が行われました。2002年FIFAワールドカップの試合会場として作られた素晴らしいスタジアムです。

スタジアム外観

 

スタジアム内には、さまざまな記念写真や品物が展示されています。

image (11) image (13) image

クラブにとっては、スタジアムは劇場です。劇場が大きくてお客が入れば入るほど収益があがる。

このエコパの建設費、・・・・300億円だそうです。

土地の造成の費用等、見えない部分に多々ありますが、300億円の投資を一つのクラブが実施するのはやはり至難の業・・・・ 行政の協力が必要だと痛感します。収益は増やしたいですが、このレベルの投資は・・・

サバデルのスタジアム「ノバ クレウ アルタ」も2万人収用のスタジアムですが、古いのは否めず古くても、2万人が一杯になればいいのですが、不景気なスペインの経済事情も手伝ってなかなかそういうわけにも行かず・・・

Sabadellスタジアム

1部に昇格すれば、収益増を目的にスタジアムの改修や観客席の増築を検討したいですが、サバデルにとって300億なんていう数字はとてもとても・・・・ バルサのカンプノウやレアルのサンチアゴベルナベウみたく、ランドマークを作れればいいのですが、現実経営が大切ですね・・・・

本当、「どこでもドア」で、観客をエコパに連れてくるか、またはスタジアムをサバデルに持っていけないか、考えてしまいます。

正解は、300億円以下で、どこでもドアを開発することか!?

「ダルの英語がうまくなった」 レ軍指揮官が絶賛!?

「ダルの英語がうまくなった」レンジャーズ指揮官が絶賛・・・・

なんとも切ない気分になるのは私だけでしょうか?ダルビッシュの記事ですが、ピッチャーとしてのパフォーマンスは勿論、評価されているからレンジャーズに入団したのでしょうが、英語の上達が記事になるほどなら、はたして昨シーズンチームメートとどれほどコミュニケーションができてチームに溶け込んでいたのか不安になってしまいます。

勿論、異国で使い慣れない言葉を勉強して習得していることは素晴らしいので、その上達ぷりを批判するつもりは毛頭ありません。しかし、そこで満足することなく、ダルビッシュがレンジャーズにピッチャーとして受け入れられるだけでなく、チームメートとして、そしてレンジャーズの財産として、引退後も球団に関わっていけるようなポジションをとってくれることを切に念じてやみません。そういう選手がでてきてこそ、海を渡ってアメリカで野球をすることが当たり前になり、日本の野球がアメリカの野球に追いつき追い越したといえるようになるのではないでしょうか?

サッカーにおいても、ただ単にヨーロッパのビッククラブに所属して1-2シーズン過ごすことは過程としては素晴らしいですが、それはあくまで通過点で、ビッククラブでチームメートとして、引退後もクラブの運営に関わっていけるように、そして日本のサッカー界にも併せて貢献できるような人材を育成することが、ヨーロッパサッカーに追いつき、追い越せ、そしてワールドカップで優勝という夢にまでつながる大切な道ではないかと思います。

我々の事業が、そんな夢につながる道の一端を担えるように環境を整えていきたいと思います。我々の育成プログラムを経験して、成長した選手には「スペイン語が話せる、コミュニケーションが・・・・」なんて、あたりまえのことが記事になるようなことが無いよう、しっかり大切なことを伝えていきます。

 

Jリーグクラブの副社長という仕事

昨晩、Jリーグに属するチームで3年間副社長を務められた方と食事をする機会をいただきました。ご本人は他業種からの転職で、オーナーからチームの面倒をみてくれと頼まれて副社長に着任されたそうです。ただ、サッカーの経験は皆無で前職の経験から経営再建の手腕を買われての転職だったとのこと。ほぼ、4時間ちかく、Jリーグのクラブ経営とそしてサポーターのみなさんとの向き合い方について本当に面白いお話をきかせていただきました。

その中でも印象的だったのが、「サポーター’s ミーティング」です。いつも熱烈に応援してくれるサポーターのみなさんとの懇親会という名目ですが、現実は、参加いただいた人数の数だけ、「GM兼監督」を自称される方々とのやりとりが延々と朝まで続くんだそうです。

「来期のFWの補強については、どう考えているんだ。絶対に4-2-4より3-4-4システムを採用すべきだ」

「あそこのA選手の選手交代はタイミング早すぎなんでは?交代させるとしてもA選手でなく、B選手でしょ」

「副社長のあなたがミーティングにでてくるのはいいけど、監督に直接話がしたいから、次は監督を連れてきてよ。ちゃんと、伝えることは伝えておかないといけないから」

なんて、やりとりは毎回だそうです。確かにみなさん、大切なサポーターなんですが、みなさん一人一人の意見をチーム強化に反映させるわけにはいかないし、戦術、ゲーム戦略はすべてサッカーのプロに任せて1シーズン闘っているわけですから、そこにはいくら副社長とはいえ、たとえ社長でもなかなか踏み込めないところですよね。

料理が自慢のレストランで、経営者が料理の責任をもっているチーフシェフにむかって、料理の味付けや素材がどうだとケチをつけるようなものじゃないですか。

連敗が止まならいとき、ゲーム終了後にまったく帰ろうとしないサポーターたち。

「監督をつれてこい!! なんなんだ、今日のゲームは!!!」

「何回、負ければ気が済むんだ。社長出てこいよ、いるんだろう!!」

サポーター側のゴール前にでていってサポーターを説得して、帰ってもらうのも副社長の仕事だったそうです。

また、Jリーグの観戦マナーだそうですが、アウェイゲームで大勝した際、アウェイチームの応援マナーとして、応援する選手たちがベンチに帰るまではどんどん勝利を祝っていいそうですが、選手たちがベンチに戻ったあとも騒いでいるとマナー違反という事でホームのサポーターと大喧嘩が始まるそうです。例えば、この喧嘩で負傷者がでたりするとチームがサポーターに対して運営協力のお願いを十分にできていないという理由から、Jリーグから罰金が科せらるそうです。こんな場合も、サポーターミーティングで、「ただでさえ懐事情が厳しいのに、こんなことで無駄な出費をチームがすることになれば経営状況が悪化し、チームが倒産、消滅なんてことになりかねない。ほんとにチームを愛しているなら、しっかりわきまえてくれ!」と、今度は副社長がツバを飛ばしてサポーターを説得し、だいの大人のサポーターたちが涙を流して頭をさげ、「すいません!! 二度としません!!」と謝ってもらった経験もあるそうです。

他にもここには書けないようなお腹を抱えて笑ったり、涙が出るようなお話もいただきましたが、最後にひとつ質問しました。

「笑いあり、涙あり、そしてほんとうに大変な3年間のJリーグチームの副社長生活ですが、また、オファーがあったらJリーグのチームで仕事をしたいですか?」

「はい、もちろんです。あそこに戻れるなら、どんな仕事でも喜んで、今の仕事を辞めて飛び込みますよ」

とのことでした。

サッカーの魅力に取りつかれた先輩との楽しい食事でした。