2013年1月31日で、このシーズンの移籍ウィンドが閉じました。
話題にもさせてもらいましたが、長谷部選手のプレミア フラム移籍はなかったようですね。1月31日の最終日になって発表された有名選手の移籍は
ベッカム PSG(パリサンジェルマン)
バロッテイリ ACミラン
ですね。いったい移籍金はいくらだったのでしょうか?
今日は、この移籍金に関する知識をすこしお話したいと思います。
歴代の移籍金トップ5(金額は推定で1€=120円換算)は
(1) クリスティアーノ ロナウド / マンU ⇒ レアルマドリ―ド 112億8千万円(2009年)
(2)ジネディーヌ ジダン / ユヴェントス ⇒ レアルマドリード 88億2千万円(2002年)
(3)ズラタン イブラヒモヴィッチ / インテル ⇒ バルセロナ 83億4千万円(2009年)
(4)カカ / ACミラン ⇒ レアルマドリード 78億円(2009年)
(5)ルイス フィーゴ / バルセロナ ⇒ レアルマドリード 72億円(2001年)
例えば、レアルマドリードは、2009年にロナウドとカカを移籍で獲得していますが、その資金は190億円です。2007-2008年シーズンのレアルマドリードの収入は480億円。つまり、チームの年間収入のほぼ40%を選手の獲得のための移籍金として支払っている状態でした。
なぜ、これほどまでに移籍金が高騰するのか・・・ 一般的には「UEFAチャンピオンズリーグに参加して勝ち残ることで得られる収入をあてにした先行投資」という考え方が招いている負のスパイラルと考えられています。UEFAは、この負のスパイラルを打ち切って経営の健全化を図るために、「UEFAクラブライセンス制度」を2004-2005シーズンから導入しています。しかし、それでもヨーロッパの有名クラブは、莫大な資金を投入して選手の争奪戦を継続して、その負債をオーナー私財や銀行からの借入金で埋めるということをやめませんでした。そんなおり、2008年のリーマンショックをきっかけにオーナーの資産が目減りして銀行の経営が悪化する中、2009年に「Financial Fair Play」、日本語になおすと「経営的フェアプレー」という財務規定が「UEFAクラブライセンス制度」に加えられることになりました。
「経営的フェアプレー」とは、簡単にいうと
各クラブは収入に見合った支出しかできない。借金はできない
ということです。
この規定は、当初は2011‐2012年シーズンと2012‐2014年シーズンの2シーズンを通じた収入と支出の評価を2013-2014年で実施します。そして、それ以降は3年間の周期で実施するというものです。この規定のすごいところは
2017-2018年シーズンまでは、クラブが抱える赤字の補てんは、増資または寄付によってのみ行うことができる(銀行からの借り入れは不可)
2018-2019年シーズンは、赤字は一切認めない
ということです。つまり、2018年シーズンの開幕から、クラブ収入に見合わない移籍金を投じての選手争奪戦はできなくなるということですね。では、クラブは選手の争奪戦ができなくなるとどうやって強化を実施するのでしょうか?つまり、育成によっていい選手を育てることに注力せざるを得ない状況になるということです。2018年の開幕は今からちょうど5年後です。
我々は、そういったヨーロッパリーが「選手の争奪」から「選手の育成」という大きな転換期の中で、まさに、サバデルというチームと共に育成に携われる機会に恵まれていることを本当に感謝したいと思います。
2018年には、才能ある日本人選手のヨーロッパデビューを是非、成功させていた思います!