先日、スペインに子供をサッカー留学させている親御さんとゆっくりお話しさせていただく機会がありました。ちなみにAさんとさせていただきます。
Aさんが子供をスペイン留学に出して、一番困っておられたのは、情報がないこと。
スペインに留学させるにあたり、様々な公的な手続きが必要になります。例えば、日本でスペイン大使館にいって日本国に居住する誰々さんの息子である証明を得たり、スペインに滞在するための学生VISAを得たり、はたまた、スペインでの身元引受人を公的に登録するためにスペインの公証役場に行って証明書を作成したり、学校の入学手続きを行ったり、そして、スペインサッカー協会に選手登録したり等々。
どれも、スペイン語で書類が準備されて、スペイン語で話され、スペイン流に物事が進みます。
どういう意味かというとちゃんとした説明がなく、「いいから、いいから、任せとけ」、「やっぱり駄目だった、この書類が必要」なんていうやりとりがしょっちゅう行われます。ラテン系の特徴と諦めるしかないのか、と思いがちですが、なんと、それに関わる日本人コーディネーターや日本人代理人と言われる人々もそういう人が多いのが現実・・・ 本当に、ご苦労お察しします。
そういう話を聞いて、ふっと思ったのが、やはり、スペイン人も、サッカーに関わる日本人コーディネーターも、日本で仕事をした社会人経験がないので、日本人が一般的にサービスとしてあたりまえと期待するレベルが理解できていないことが原因ではないかと。
お金をいただいて、代償としてなんらかのサービスを提供するに当たり、ある程度の期待値に沿ったサービスを提供するのは一般社会人としては当たり前のこと。ただ、そこには、日本人の常識があり、そして、むこうにはむこうの常識があり、そのギャップがある。
日本人コーディネータや代理人と言われる方々の言い分も勿論あるとは思います。ただ、市場として、あまり競争がなく、ユーザー側からみると、「他にあてがない」、「他にいってもあまり変わらない」という状況では、どうしてもサービスレベルの向上は望めないのも事実です。
Aさんのお話を聞いて、なおさら、我々が日本人の一般的なサービスレベルを満たすサービスを確立して、スペインを目指す子供達ができるだけ簡単に、そして本物にアクセスできる環境を整えることが、日本サッカーの発展につながると信じて、がんばりたいと思います。
そして、昨日から、短期(2週間)でサバデルで留学を体験してくれている子供がいます。彼の様子についても、追ってご紹介していければと思っています。