スペイン留学について思うこと

先日から、スペイン留学をしている、または検討している親御さんと話をする機会が続いています。どういう内容が多いかまとめると、

「こういう風に聞いた」、

「~~らしい」

のオンパレード。書面がでてますか?と聞くと、「ない」かまたは「書面があるらしい」という回答がほとんど。

実際、スペインの人達とのやり取りは、本当にこういうやり取りが多いです。出元がいいかげんなので、当然、人づてに伝わってもいいかげん。これはどうしようもない。

でも、ほんとにきっちりとしたルールのもとに、厳格にさまざまなことが運営されていないのも事実。そのなかでさいたるものは、選手登録問題。FIFAの選手移籍に関する項目19条をどのように解釈するか・・・

「あの町クラブの人が、選手登録はこうやればできると言っていました。州サッカー協会から、レターもでているそうです」

「我々の理解とは異なります。それが、もし、本当なら、その書面のコピーを入手いただけますか?我々のほうからサッカー協会に確認しますので」

こういう会話ののち、サッカー協会と話をすると、

「町クラブは、FIFAの19条を厳密に遵守しないくていいんだよ。なぜなら、アマチュアだし、強豪チームではないからね。ただし、相手チームから文句がでない場合に限るけどね」

「サバデルにはFIFAの19条を厳密に遵守してもらわないと困るよ。なぜならLFPに所属するプロチームだから。FIFAの監視の目も厳しいし、模範になってもらわないといけないからね」

つまり、ダブルスタンダードだということらしい・・・

でも、ここで、もう一度、なぜ、スペインでサッカーがしたいか、高い費用をかけて留学するのか・・・考えたい。誰しも、LFPに所属するプロチームに所属し、高いレベルでサッカーをしたい。そして、ゆくゆくはプロになりたい。

目的が目的である限り、うまくやって、なんとかなることはない。なぜなら、目的がダブルスタンダードの高い方だから。

そのダブルスタンダードの実態を告げられずに、または、理解もされていない人に、「だいじょうぶ、うまくやる方法があるから。」と言われて、ダブルスタンダードの下の方でスペインに留学して、一生懸命に階段を昇ったら実力ではなく、制度という壁で行き詰ってしまう選手がたくさんいます・・・

そして、そんな子供を抱えた親御さんがおっしゃるのは、「もう、うまくやってどうこうは嫌なんです。やるからには、ちゃんとしたいんです・・・」、その通りだと思います。ただ、事の初めが「うまくやるんで・・・」で入っていると、学生ビザで強豪チームに所属し、強豪リーグでプレーすることは、どうやってもちゃんとやる方法はないわけで、なんとか、プロになるという目的に照準を合わせて、どう18才までのプログラムを組んでいくべきかを調整することしかできないわけで・・・

なんだか、北の国からのジュンくんみたいですが、事実関係をできるだけ正確にお伝えして、やれることとそのリスクを明確化し、ご理解いただいたうえで、どういうプログラムを選択するか一緒に考えていくことしか選択肢はないのが現状です。FIFAのルールが改訂されるなら話は別ですが・・・

サッカー選手が憧れるスペイン、留学やプロ選手になるにはなかなかハードルが高いのが現状。ただ、目的を明確化して、やれること、そのリスクを整理すれば、たとえ障害に突き当たっても他の選択肢を探せることも事実。

ひとりで悩まれる前に、なるべく早い段階でのご相談を、我々としてはお待ちしています。