J3リーグが来年発足

昨日、J3リーグが来年発足という記事を目にしました。

ここには財政面に関して記載されていますが、J3に参戦するための年間予算は最低1億5千万円とのこと。スペインリーグでいうと、このJ3が2部Bに相当すると思いますが、2部Bのチームで年間チーム予算が1億5千万円のチームは聞いたことがありません。ほとんどが、3000-5000万円程度の年間予算で運営しています。2部Bのチームはスペインサッカー協会に管轄されています。

2部Aに昇格するとプロリーグになり、その運営予算は年間4億円以上に跳ね上がります。そのおもな理由は放映権料です。

1部に昇格すると放映権料がぐーーんと大きくなり、年間30億円以上の運営規模になります。

さて、Jリーグの構想はJ1とJ2を併せたクラブ数を将来的に「100」とすること。スペインの1部と2部を足したクラブ数は2012-2013シーズンを取り上げると42チーム。つまり、スペインの2.5倍のプロチームを作るということですね。

うーーん。確かに人口比率で考えると、日本:1億3千万人、スペイン4600万人だから、2.8倍日本の人口が多い。確かに比例計算だと打倒に思えるかもしれませんが、サッカーがどれほど、生活の中に溶け込んで、サッカーにどれほどお金をかけるのか・・・ 文化の違い、協会の仕組み、放映権料の仕組みの違いを考えると、スペインほどサッカーが日本に根付いていって、市場を形成するようになるにはもう少し時間がかかる気がします。

ただ、現在のプロチームとは、すこし違った独立採算型のサッカークラブが増えて、サッカーをやりたい人が続けられる環境が増えて、スソノが広がることはとてもいいことだと思います。スペイン2部Aだと、年間2億円強の放映権料が得られるので、クラブの運営としては、最低必要な選手・スタッフの給与、遠征費用、備品費用は比較的容易にカバーされる仕組みが出来上がっています。健全経営を目指せば、それほどスポンサーやマーチャンタイズといった収入に頼る必要がありません。

そういう意味では、健全な支出のコントロールさえできれば、比較的安定してクラブ経営ができるのです。

これもひとえに放映権収入が安定しているためです。つまり、視聴者がお金を払う、またはたくさんの視聴者がリーガをみるので、そこにたくさんのスポンサーがつく。そして、それをできるだけ等しく分配するという仕組みがそこそこできあがっているから、放映権収入をあてにしてクラブ経営が安定してできるようになっています。

じゃ、健全経営だけしてればいいか?というわけではありません。当然、いろんな形で資金を調達して選手補強をし、30億円を狙って1部昇格を狙うクラブがあるわけです。不運に見舞われ、アマチュアに降格なんてことも十分考えらえます。そういった事態をさけるために、時には積極的な投資が必要になるケースもでてきます。

いづれにせよ、J3が発足して、うまく行くチーム、失敗するチーム、出てくるかと思いますが、それらの経験が日本全体にシェアされて、サッカー文化がまた、ひとつ発展することができれば、それは、日本のサッカー界のためになりますから、是非、歓迎して応援したいと思います。J3に参加されるチームのみなさん、がんばってくださいね!