レアル・マドリードのセレクションについて

最近、レアル・マドリードが実施しているセレクションについて色々と質問をいただく機会があります。E+Uが実施する「チャレンジキャンプ」との関係も深いので、すこし詳しくご紹介したいと思います。

レアル・マドリードが行うセレクションには大きくわけて2つがあります。

(1)レアル・マドリードに属するスカウティング部が、スペイン国内、場合によっては海外まで出かけていき、個人を直接、スカウトする
(2)レアル・マドリードのスカウティング部に、書類で応募をして、年間を通じてのセレクションのセッションに参加する

ご想像のとおり、(1)のスカウティングによる合格者が全体の90%以上で、(2)を通じての合格者は毎年3000-4000人と言われる応募者のなかから1人から2人の合格者がでる程度です。

(1)はレアル・マドリードのスカウティング部が直接、自分たちのネットワークを使ってリサーチを実施し、独自の評価をして選手をセレクションしていきます。

(2)はスペインのサッカーシーズン(9月-6月)にあわせて、一次選考、二次選考・・・という形で、複数回のセレクションが毎月1-2回程度、週末に実施されます。レアルマドリードのスカウティング部には10数名程度のスタッフがいますが、彼らは(1)の活動のためにほとんどがスペイン各地で行われているリーグ戦を見に行っており、毎月1-2回程度、週末に重なる(1)のセレクションを担当できるスタッフは限られてしまう状態です。

とはいえ、3000人の選手を10か月間(40週)で、書類選考も含めて、一次選考、二次選考・・・・と複数の選考会を実施しなければならないわけですから、レアル・マドリードのスカウティング部に属するスタッフだけでは、到底対応できません。そこで、外部から20数名の元レアル・マドリードの関係者及び練習試合や交流をもっている近郊クラブのコーチを「トライアルコーチ」としてお手伝いをお願いする形でセレクションを実施していきます。トライアルコーチは、このプロセスを通じて、3000人をレアルマドリードのスカウティングスタッフが対応でき、かつカンテラの練習参加で評価できる人数まで減らしていくのです。

3月から6月まで、(1)、(2)及びレアル・マドリードファンデーションキャンプ等、さまざまな形で、選抜された選手たちはカンテラの練習や試合に参加することで、その潜在能力や実力を、カンテラの監督、コーチに評価されます。カンテラの監督は、その選手の評価レポートを作成し、そのレポートに基づいて、レアル・マドリードスカウティング部と協議し、最終選考を行っていきます。「チャレンジキャンプ in スペイン」は、カンテラチームとの練習と試合を通じて、この選考過程の一つに参加することになります。

我々が日本で実施しているレアル・マドリード・ファンデーションキャンプは、レアル・マドリードのサッカーに触れる機会をだれにでも提供致します。また、同時に、レアル・マドリードのカンテラの監督及びコーチを招聘することで、レアル・マドリードのカンテラでも通用する優秀な選手の発掘も目的としています。(1)のセレクションとの大きな違いは、

(A) 日本に居ながら
(B) (1)のレアル・マドリード外部のスカウティングスタッフではなく、カンテラの監督及びコーチに直接評価してもらい
(C) 数時間のセレクションセッションではなく、4日間のトレーニングプログラムを通じてパフォーマンスを評価してもらえる

です。

2013年夏にも全国各地でキャンプを予定しています。近日発表予定なので、そちらのほうも是非、チェックしてみてください。

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