親離れ子離れ

子供をもつ親であれば一度は「親離れ子離れ」についてお考えになったことがあるのではないでしょうか?

赤ん坊のころは、両親とおじいちゃん、おばあちゃんが子供の世話を見ていました。子供からすれば、それが世界のすべて。保育園や幼稚園に行くようになり、お友達や先生、ママ友たちが子供に関係するようになりました。そして、小学校、中学校、高校と進むにつれ、学校のみならず、クラブや先輩、そして近所の大人たちも子供に関与するようになりますね。子供の立場からするとどんどん世界が広がっていくのがよくわかりますね。

さて、親の立場からするとどうでしょう。赤ん坊のころは、かたときも目を離すことができませんでしたが、高校生の子供とは、まる一日顔をあわせない日もあるのでは?

つまり、子供の成長にあわせて、親から子供が離れていくということですね。親が子供を離さない場合、「箱入り娘」「箱入り息子」のできあがりでしょうか。つまり、タイミングよく親離れ、子離れしないと、いつまで面倒みるんだ?という話になりかねませんね。

なぜ、この話をするのかというと、子供のスペイン留学の相談を受ける際に、我々がいつも考えることだからです。

いつが親離れ、子離れするタイミングだと思いますか?

義務教育を終え、高校、大学と通わせるなら、高校卒業するとき、大学卒業するときがタイミングかもしれません。世が戦国時代なら、16才で元服ですから、16才で大人として親離れ、子離れをしなければなりませんでした。

ではサッカーでヨーロッパで戦える選手になるには?いつがタイミングなんでしょうか?

我々は中学生になるときがタイミングではないかと思います。

ただ、誤解がないようにお話しますが、「親離れ子離れ」の問題と「独立する」ということは同義語ではありません。

12才はまだ子供です。適切なサポートが必要な年齢です。子供がヨーロッパで戦えるサッカー選手を目指すのであれば、あくまで「親離れ子離れ」のタイミングが早いだけで、親に変わる第三者が、本来子供が両親から受けるであろうサポートを提供すればいいのです。

親としては、子供が自分の目が届くところから遠くにいくこと、手の届く距離にいないことはとても不安で、耐え難いことかもしれません。ただ、いつかはそのタイミングが必ずやってきます。

ご両親に変わって、ホームスティ先の両親、そして我々の現地スタッフがあるときは兄弟になり、あるときは親戚のお兄さんになることで、子供に必用なサポートは提供されます。両親のもとで得られない経験や学習をたくさんすることでしょう。「親離れ子離れ」のタイミングの考え方さえ理解いただければ、子供が手元にいないという不安と引き換えに、スペインに留学しているからこそ代わりに得るものがたくさんあり、そのなかで、そこでしか得られない唯一なものはサッカーをとりまく環境なのです。

真剣に留学を考えて、悩んでいらっしゃるご両親に、我々は「悩むよりまず、現地に足を運んでみて、ご自身の目で環境を確かめる」ことをお勧めします。立ち止まっているだけでは何も解決しません。まず、第一歩を踏み出すことをお勧めします。